問題続きの「メイド・イン・ジャパン」、匠の心どこへ

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世界の製造業の分野で、「メイド・イン・ジャパン」はかつては神話だったが、ここ2年ほどで輝きが消え失せつつある。神戸製鋼所のデータ改ざんからタカタのエアバッグ問題まで、相次いで起きた不祥事が、かつて輝きを放った日本ブランドの看板に打撃を与え、メイド・イン・ジャパンは徐々に色あせている。中国証券報が伝えた。

▽メイド・イン・ジャパンの名刺にしばしば汚点

新幹線はこれまでずっと日本の製造業を代表する名刺のような存在だった。かつてはフランスのTGV、ドイツのICEと並び、世界3大高速鉄道と呼ばれていた。ここ数年は中国と世界の高速鉄道市場で競い合い、インド、タイ、英国などでは直接矛を交えた。

だが安全性と定時運行で名高い新幹線には最近、重大な安全問題が発生した。JR西日本の「のぞみ」の台車に亀裂が見つかり、JR西日本と台車を製造した川崎重工がこのほど発表した調査結果によると、製造過程で底部の鋼材を基準値より薄く削りすぎ、強度が不足して亀裂が入ったという。運輸安全委員会は、「今回の問題は重大事故を招いてもおかしくない不具合であり、厳しい態度を取る」としている。鋼材を削りすぎた川崎重工は日本の老舗メーカーで、明治維新の時期に創業し、1906年から鉄道車両の製造を手掛けているが、この100年以上の歴史を誇る老舗にもついに品質をめぐる深刻な問題が生じてしまった。

2017年以降、日本の製造業大手の神戸製鋼、三菱マテリアル、東レの子会社などが製品の検査データを改ざんした問題が次々発覚した。自動車産業は日本の製造業の主要製品であり、複雑な供給チェーンが多くの産業に発展をもたらした。だが名高いトヨタ生産方式を生み出した自動車製造業でも、相次いでさまざまな問題が起きている。

昨年は世界2位のエアバッグメーカーのタカタが、製品の欠陥を補償するための賠償金を支払えないとして破産を宣告。続いて自動車メーカーに相次いで燃費データの不正問題が起こり、三菱自動車とスズキは燃費試験データを操作して、国の型式認証を取得した。また、日産の日本工場6カ所では、無資格者による完成車検査を行い、安全面で問題になった。

日本の3大鉄鋼メーカーとされる神戸製鋼がアルミ部品の性能データを改ざんした問題は世界の自動車メーカーの約半数に波及した。神戸製鋼は日本国内でトヨタ、ホンダ、三菱自動車、スバル、マツダの5メーカーに部品を提供しており、米国の2大メーカーのゼネラル・エレクトリック(GE)とフォード・モーターも神戸製鋼の部品を使用している。

▽薄れゆく「匠の心」

第二次世界大戦後の日本は製造業を国の振興の柱とし、世界レベルのメーカーが次々に生まれた。ソニーの創業者・盛田昭夫氏はかつて、「米国人が弁護士を育てるのに忙しかった頃、日本はエンジニアの育成にもっともっと力を入れていた」と誇らしく語っていた。

強い製造業が1980年代の日本に「米国にNOと言える力」を与えた。だがそれ以降は製造業の凋落が始まり、特に21世紀に入ってからは国内総生産(GDP)に対する製造業の割合がかつての25%から20%足らずへと低下していった。

日本の製造業はシェアが低下しただけでなく、生産効率の低下という苦境にも陥った。このほど発表されたデータをみると、日本製造業の労働生産性は95年以降で最低を更新した。労働生産性は労働者1人当たりの労働の効率を示す数値で、日本は15年は9万5063ドル(約1012万円)で5年前に比べて10%減少し、経済協力開発機構(OECD)の主要加盟国29か国のうち14位だった。00年まではずっと1位だったが、その後は順位が大幅に後退し、優位性を失った。

日本の製造業が輝きを失った原因はさまざまだ。大きな環境ということでいえば、製造業の低下と日本の高齢化社会には密接な関係がある。人口減少問題に直面して、日本の国内市場は中長期的には縮小が予想され、海外での現地生産がしきりに推進されている。構造的な変化を無視して、工場の現場のラインに頼るこれまでのやり方ではもはや時代に追いつけない。また、生産年齢人口が減少し、かつて盛田氏が誇ったエンジニアの軍団も縮小するばかりだ。

このほか日本経済の「失われた20年」の間に、日本企業の多くは社員の士気が低下し、職業道徳が退廃する現象に見舞われた。社員の責任感も愛社精神もかつてとはガラリと変わり、日本の誇る「匠の心」も衰退した。表面的に競争力を維持するため、一部の企業はやむを得ず偽造という手段に手を染めた。「匠の心」による支えを失った日本製造業は、その輝きが失われつつある。

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